2014年6月12日木曜日

3.「祈り」に必要な客観性 ― 目的達成の為の2つの要因




どんな目的でも、それを達成しようとする時において、

目的達成には2つの要因が関わっていることを認識する必要があります。


1.自分が直接コントロール出来る範囲の要因


2.自分が直接コントロール出来無い範囲の要因



至極当たり前のように見える分類ですが、

私達は往々にして、この2つの要因において混乱しています。


自分で出来る事と出来無いことの分別がついていない。

ゆえに ― 

自分でするべき努力が出来ていないので、状況が良くならない。

人に助けを求めるべき状況なのに、助けを求められずに、苦悩を続ける。

物事は何でも、自分のやり方で、自分の思う通りに動くべきだという、

非客観的な考えに捕らわれながら、働きすぎて行動や心のバランスを崩す。

自分が全てをやり遂げたのだと信じて、思い上がる。 ― 


この2つの要因においての混乱は、客観性の欠落の表れです。

物事の達成には、様々な要因が複雑に絡み合っていて、

自分が全てをコントロール出来る訳ではない、

という事実は、客観的に認識されるべきです。


現代の日本では、デキる人間によって作られたシステムの中で、

私達の生活が機能しているので、物事の達成の要因は全て、

人間に拠るものだと感じてしまいがちです。


「○○さんに確認を取って、明日までにメールでお返事します」

という簡単な作業があったとしましょう。


それがもし出来なかった場合、いわゆる先進国、例えば日本だったら

その責任は、○○さんか私本人がどちらかにあるはず、

という様に、思考の範囲は人間たち世界の範囲内に留まっています。

そこに「不確定要因」とか「運」とか「グレース」と言った概念は見つけにくくなっています。


しかし、インドだったら。。。

○○さんどこ?ホリデー?またホリデー?今度は何のホリデー?

いつ帰ってくるか見当つきませんよね。電話してみようか。

つながらないね。きっと携帯のバランス(残高)が無いんだろうね。

じゃあ、待ってもらうようにメールしようか。ってネットつながらないし。

近所で誰かが穴掘って、電話回線つぶしたらしい。いつ復旧するのかね。

ちなみにこの前は、象が電信柱折って電話使えなくなったね。

水道もたまに同じ理由で止まるよね。

あ、復旧した?そしたら、ネットにつないで、、、って次は停電ですか。

電気と電話、いろんなものが全部揃ってないとネットに繋げないからね。

最近雨降ったり、風がきつかったりするから、停電多いね。

電気が来たら来たで、電圧高すぎて、電化製品壊れちゃうんだよね。

この前も、それでモデムが火を噴いて壊れちゃったしね。火事になったらどうすんのね。

スイッチ入れる時も、感電しないように気をつけなきゃね。

インドでは毎年多くの人が感電死してるらしい。そーとスイッチを入れながら、

「Om ナマッシヴァーヤ」っとマントラをつぶやいちゃった。

頼れない人間の代わりに神様が頑張ってくれている国、インド。

「不確定要因」「運」「グレース」「カルマの法則」といった言葉の意味を、

日常の中で、否が応でも知らしめてくれる国、インド。。。



1.自分が直接コントロール出来る範囲の要因


2.自分が直接コントロール出来無い範囲の要因


の2つを見極めて、自分で出来る範囲の要因において適切な努力をし、

直接手を打てない範囲の要因については、委ねる態度が必要です。

しかし、自分でコントロール出来ると思っていることでも、

結局は、この複雑に絡み合う様々な要因の上に成り立っているのです。


これらの複雑な要因のネットワークは、物理の法則、生理学の法則、心理学の法則、、、

全体に共通するあらゆる法則によって出来ています。

全てを包括するネットワークは1つとみなせます。

その1つのネットワークを1つの実体として認識してみましょう。

そこには全ての法則、つまり知識、資源、能力、全てがあります。

その1つの実体である「全て」の中に、

私達の「うまくいきますように」という願いを投入する行為が「祈り」です。

目標達成の為に関わる、様々な要因に、「祈り」という行為で働きかけるのです。

先に見たように、祈りは行為であるために、結果を出すからです。




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